日本財団 図書館


 

た上で、他地域との関係を含め,今後の整備の方向性を捉えていく必要がある。
注1)前報の田中信行、他:離島の立地特性、社会特性からみた地域構造の評価(第1報)日本建築学会計画系論文集、No89.1996.11、では離島環境の評価に対し、大きく3つの分類を用いることにより立地特性、社会特性、人口問題(構造)を相互比較の中で評価する事ができた。
注2)今回の研究では基本として国勢調査年であった平成2年度のデータを使用している。この全国の離島環境把握の犀にも、(財)日本離島センター:1992離島統計年報および、(社)日本旅客協会:1992下期号全国フェリー、旅客船ガイド等の資料をもとに1、掲載されていない航路、2、掲載はされていないが非公共業者の運営、不定期航路の運行など、定量的なデータの入手が困難と思われる航路については本研究において対象外とした。
注3)その1でも述べたように、昭和56年3月に(財)日本離島センターが発行した「性格類型化した個々の離島の今後の振興策に関する調査研究報告書によると、離島における地理分類の評価は昭和48年7月に内閣総理大臣が決定したいわゆる第3次離島振興計画の中で全国の離島を分類したのが最初である。概ね、本研究においてもこの分類基準を参考に分類、評価を行ったが以下の点において、既存の分類にはない評価基準を設定した。これまでの分類は本土近接などの評価を行うため、本土としての判断が難しい沖縄本島との関連が強い沖縄、奄美の各諸島の離島に対して分類が行われていなかった。しかし、本研究ではこれらの離島を削除することによる基礎統計量の変化に着目し、研究対象としてこれらの離島を含めるとともに分類の評価を行った。その際に、人口規模などから沖縄本土を本土として評価し、同島に近接した離島を本土近接としたその結果、研究対象離島を大きく6つに分類した。
注4)減数化および逆数化の作業を行ってもすべてがハザード指標(地域の問題性を評価する指標)化されるのではない。例えば、(教員数/生徒数)をハザード指標(生徒数/教員数)とした場合、同指標値の増加に対して単純に問題性が高くなるとは評価できず、そこには適正な基準値が存在する。そのため、目的変数と説明変数との間で単回帰による評価を行った上で、ハザード指標としての評価を行った。
注5)以下に、各分類に行った重回帰分析の犀に得られた重相関係数の結果を示す。なお、値は少数以下第3位を四捨五入した値を用いた。内海近接型離島-0.80、外海近接型離島-0.80、群島型主島-0.83、群島型属島-0.85、孤立小型離島-0.81、孤立大型離島-0.80。
注6)本研究におけるネットワークを以下のように定義した。「ネットワーク」一人的動力的、情緒的など様々な交流につながる地域内の圏域内捉え方。R.M.肌の概念で離島環境整備をとらえた場合にリスク(人口減少問題)改善のためには、人口増加の傾向を示す離島群に対してネットワーク(新規航路の開設)を進めるべきであると考える。
注7)過去、幾つかの離島群において集団離島の事実がある。1960年代には山口県の離島など多くの離島においてその現象がみられた。今後は従来整備の放棄ともいえるこの集団離島を効率的な公共投資の実施といった観点から肯定的に捉える必要がある。
注8)個々の離島に対し社会特性ハザード値を立地特性ハザード値により除した上で全国の離島の平均像としてAvg(社会特性ハザード/立地特性ハザード)を算出した後に、平均値との比較により内外どちらにハザード(問題)を抱えているのか評価を行った。
注9)地域問の住民および観光客の年間移動量(人)を意味する。注2)で使用した資料をもとに集計を行った。
注10)地域間距離は地図上の直線距離、週定就航(曜日不定)の場合も日換算して評価を行った。
注11)平成3年までに竣工した架橋は全国41例であり、そのうち本土間架橋9例すべてが本土間距離200回以内の架橋であり、橋長、最大支間、建設費を考慮に入れても十分必要な設定値である。
注12)本研究では集約性を地域内整備拠点の設定基準と捉えている。これはTable.-4に示す地域間引力(予想される人的珍重力量)のモデル化によって得られる地域内値の総和、そのため航路開設されていない区間にも仮想として航路を設定し、評価を行ったものである。
注13)人的移動量と人口減少率との関係を散布図により評価を行った結果、人口減少率が高く、人的移動量の少ない離島群と人口減少が激しくなおかつ人的移動量の多い離島群、それ以外の離島群の3つに分類され、前者2つをそれぞれ機能完結型離島、移住推進型離島と評価し、プロットした結果Fig.-6のように2つの区分線が作成された。

317-1.gif

Fig.-6 Classification in Remoted Islands

参考文献
1)(財)日本離島センター:21世紀における離島振興ビジョン、ppl-2、1993.3
2)(財)日本離島センター:21世紀における離島振興ビジョン、pp98-101、1993.3
3)建築知識スーパームック:都市、建築企画開発マニュアル、(株)建築知識、pp104-106、1995.6
4)(社)ウォーターフロント開発協会:ウォーターフロント開発事業におけるリスク管理マニュアル、pp1-9、1993.3
5)(社)ウォーターフロント開発協会:ウォーターフロント開発事業における損害保険制度に関する研究報告書、pp2-3、1995.3

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION